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はじめに

 

 早稲田大学政治経済学部・遠矢ゼミ(国際政治経済学)では、「国家ブランディング」(Nation Branding)という新しいジャンルの研究に2013年度から取り組んできました。本サイトは、その2年間の共同研究の成果の一部を暫定的に取り纏めたものです。

 

 「国家ブランディング」とは、聞き慣れない言葉かもしれませんが、簡単に言えば、ビジネス・スクールなどで学ぶようなマーケティングやブランディングの手法や理論を、企業や製品ではなく「国家」に適用してみようというものです。もともとは、世界市場における産業競争力の強化という、国際経営や国際経済の視点から生まれたコンセプトです。しかし近年、欧米では、「国家ブランディング」を国際社会における国家の発言力や影響力の増大、すなわち「ソフト・パワー」や「パブリック・ディプロマシー」の手段とすることはできないか、という公共政策・国際政治の議論に幅が拡がりつつあります。

 

 本研究は、そのような新たな学問的潮流を踏まえ、日本では初の(欧米でも稀な)、国際政治と国際経済の両視点を融合した「国家ブランディング」論の構築を試みたものです。研究プロジェクトは未だ途上にあり、ここに纏めたものは全体構想の一部でしかありません。また、国家ブランディングの可能性・有用性(政治的にも経済的にも)について何らかの「結論」に達したわけではありません。いわば「研究序説」に過ぎないものですが、今後の「国家ブランディング」研究の発展に資することを願い、広く一般に公開することとした次第です。

 

2014年11月

 

[付記]本サイトのコンテンツはすべて、学部ゼミ生が分担執筆し、遠矢先生(指導教授)が校閲したものです。

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